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8.ボランティア
  2000年に行われたオーストラリア統計局の調査によると、オーストラリアでは18歳以上の人口の32%(約440万人)がボランティア活動に参加していました。1995年の調査ではこの数字は24%(約320万人)であったので、ますます多くのオーストラリア人がボランティア活動に参加しているといえます。ただし、ボランティア活動に参加しているオーストラリア人の平均像については、そのボランティア活動に費やす時間が週に約1.4時間、一年当たり約72時間で、5年前と比較してほとんど変わっていません。
 
18歳以上の人口のボランティア活動への参加状況(1995年、200年)
出典:オーストラリア連邦政府統計局:Voluntary Work 2000 (4441.0)/13頁
 
ボランティア活動への年齢、性別参加状況(1995年、200年)
 
  ボランティア活動への年齢、性別参加状況をみると、全ての年齢層で男女ともに、参加率が高まっています。男女ともに、35歳から44歳までの年齢層が最も参加率が高い状況には1995年も2000年も変化がありません。
 
  ボランティア活動に参加した人にとって最も一般的なボランティア活動として、資金集め(56%)、組織の運営(45%)、指導・教育(44%)などがあげられます。それ以外にも多種多様なボランティア活動があります。
 
ボランティア活動の種類(2000年)
  全体 男性 女性
資金集め 56.1% 49.6% 61.9%
組織の運営、委員会活動、調整 45.4% 50.3% 40.9%
教育、指導、情報提供 44.4% 40.2% 48.2%
組織の事務、採用活動 40.8% 42.2% 39.5%
食事の準備、配給 35.7% 22.6% 47.4%
輸送 26.8% 27.9% 25.8%
修理、保守、庭の手入れ 25.3% 38.1% 13.9%
説明、話し相手、相談 24.0% 19.3% 28.3%
コーチ、審判 22.1% 28.5% 16.4%
介護、介助 14.3% 13.5% 15.0%
舞台芸術、メディア制作 9.9% 10.0% 9.9%
その他 11.3% 12.3% 10.4%
(注)複数回答可
出典:オーストラリア連邦政府統計局:Voluntary Work 2000 (4441.0)、29頁
 
  「その他」に含まれるものひとつに、様々な緊急救助活動があります。洪水などの天災、交通事故などの人災が起こった時の捜索、救助応急手当などを始め、サーフ・ライフ・セイビング(海水浴場での人命救助)、山火事消防などの活動も多くのボランティアによって支えられています。
 
  ボランティア活動の所属組織として多いのは、1:コミュニティー・福祉関連団体、2:スポーツ・リクリエーション(趣味)関連団体、3:教育・訓練・青少年育成関連団体、4:宗教関連団体、5:医療衛生関連団体の順です。オーストラリアの地域社会における地方自治体の様々な事業にもボランティアが多く参加しています。
 
  ボランティアの募集は様々な形をとっていて、口コミを始め、地方紙や地方公共団体の広報誌、ラジオ、公民館等での掲示板などのほか、最近ではインターネットでの告知、募集方法も盛んに利用されています。
 
  次に、オーストラリアのボランティア活動を代表する事例をいくつか紹介しましょう。
 
ミールズ・オン・ウィールズ(配食)
  ミールズ・オン・ウィールズ(Meals on Wheels)というのは高齢者や身体障害者のために自宅へ食事を届けるボランティア活動です。料理そのものは専門の調理スタッフ(給与有り)が公共施設で作るのが一般的ですが、この料理の配給に多くのボランティアが関わっています。
ミールズ・オン・ウィールズ
ミールズ・オン・ウィールズ(配食) / © Meals on Wheels (S.A) Inc
1999年に行われたミールズ・オン・ウィールズ全国集会における高齢者担当大臣(当時)のスピーチによれば、オーストラリア全土で、その時点ですでに1日に6万食が7万2000人のボランティアによって配給されており、現在でもますます発展中です。
 
  単に食事を配給するだけでなく、同時に配給される高齢者や身体障害者の様子を伺うことが出来るのも大きなメリットといえるでしょう。ミールズ・オン・ウィールズというボランティア活動は、子供や家族の負担だけに頼らずにできるだけ自立を目指すというオーストラリアスタイルの高齢者や身体障害者の生活を助ける大きな支えとなっています。
 
クリーンアップ・オーストラリア・デー
  シドニー出身のヨット乗りイアン・キアナン(Ian Kiernan)さんが、自分の住んでいるシドニー港をきれいにしようと始めたゴミ拾いの運動です。世界中の海をヨットで旅したキアナンさんは、多くの国の美しい海岸がゴミで汚されているのを目にして心を痛めました。シドニーに戻り、まずは地元のシドニー港から美しくしようと考えたキアナンさんの呼びかけにこたえて、1989年にクリーンアップ・シドニーハーバー・デーとしてこの「ゴミを拾う日」という運動が始まり、その年から4万人が参加する大規模なボランティア活動となりました。翌1990年にこの動きはオーストラリア全土に広がり、クリーンアップ・オーストラリア・デーとなりました。
クリーンアップ・オーストラリア・デー(中央がキアナンさん)
クリーンアップ・オーストラリア・デー(中央がキアナンさん) / © Cleanup Australia Day
 
  最近では、約60万人が毎年3月に行われるこのイベントにボランティアとして参加し、地域の環境改善のためにゴミ拾いを行っています。従来からの一般的なごみ拾い活動に加えて、企業を対象として産業廃棄物問題などに焦点をあてたビジネス・クリーンアップ・デイや、学校を対象として教育現場でゴミ問題を考えるフライデー・スクール・クリーンアップなどの特別キャンペーンも含まれるようになりました。なお、1993年からはユネスコの協力のもと、このアイデアは全世界へ広げられ、多くの国で同様の運動が行われています。
 
シドニー・オリンピック
  2000年に行われたシドニー・オリンピックは記憶にも新しいと思います。数々の名勝負、素晴らしい記録を打ち立てた選手達が大きな感動を我々に与えてくれて無事終幕しました。大成功に終ったこの世界的なイベントも、オーストラリアのボランティア達の活躍無しにはありえなかったといっても過言ではありません。
 
  国際オリンピック協会のサラマンチ会長(当時)は「競技に参加した選手達とともに今回のオリンピックのもっとも重要な役割を果たし、史上もっとも献身的で素晴らしいボランティア」と言って、シドニー・オリンピックに関わったボランティアの人達の貢献を称えました。ボランティアへの応募者数は7万5000人。一対一のインタビューを含む選考の後、最終的に4万7000人のボランティアがシドニー・オリンピックの運営に従事しました。会場となったシドニーでのボランティア活動はもちろんのこと、オーストラリア全国を巡った聖火リレーの運営管理にもそれぞれの地元ボランティア達が多く参加したのです。
 
  オリンピック終了後の様々な報告書によれば、ボランティアとして参加した人達から、このオリンピックで生涯忘れられない経験をした喜びの声が上がっているとともに、オーストラリア各地でボランティア活動に対する興味熱意も高まったといわれています。多くの地方自治体やボランティア活動団体がこの盛り上がりを維持し更に幅広い分野でのボランティア活動への参加を高めるように努力しています。
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