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オーストラリアでは各世帯で家庭のあり方が多様です。居住地域も大都市近郊から農場までと様々で、家族のタイプや暮らし向きも異なります。多くは両親とその子供達だけの核家族で、父親と母親、そして2〜3人の子供というのが今でもこの国の最も典型的な家族構成です。他にも子供のいない夫婦や単親世帯、祖父母や他の成人が同居する世帯なども多く見られます。 |
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パース郊外の住宅地の通りの風景 / © Perth on web |
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さらに、両親がそれぞれ以前の配偶者との間にできた子供を連れて結婚している、言わば混合家族といったような世帯もまれではありません。
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住居としてオーストラリア人に最も好まれるのは1000・ほどの分譲区画に建つ独立家屋です。1999/2000年度の調査では、国内の全住居のうち、寝室が3つあるものが半数を占めています。それを世帯員数で見ますと、そのうちの3割以上は2人だけの場合、また3人、及び4人の場合はそれぞれ19.7%、18.1%です。寝室を3つ持つ住居のうち、19.1%は一人しか居住していません。
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居住者数と寝室数から見た住居の現状(1999/2000年度) |
居住のタイプ |
居住者数 |
合計(%) |
住居総数 (単位:千人) |
1人(%) |
2人(%) |
3人(%) |
4人(%) |
5人以上(%) |
寝室数1つ |
77.5 |
19.5 |
*1.8 |
*1.1 |
** |
100.0 |
329.1 |
寝室数2つ |
43.1 |
39.8 |
11.2 |
4.6 |
1.3 |
100.0 |
1,421.9 |
寝室数3つ |
19.1 |
35.7 |
19.7 |
18.1 |
7.4 |
100.0 |
3,691.2 |
寝室数4つ以上 |
6.8 |
23.3 |
17.5 |
26.1 |
26.3 |
100.0 |
1,733.7 |
合計(a) |
24.5 |
32.7 |
16.5 |
16.2 |
10.1 |
100.0 |
7,188.1 |
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(a) 合計には寝室/居間兼用1部屋のものも含む。
出典:オーストラリア連邦統計局資料「オーストラリア2003年年鑑/232頁」、AGPS, Canberra
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1976年には子供のいる夫婦が世帯の約60%を占めていました。しかし、この割合は1996年までの間に約50%まで落ちています。原因としては、単親世帯の増加が部分的に挙げられますが、最大の要因は子供を持たない夫婦が増えていることです。
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家族構成における割合(1976〜1996) (単位:%) |
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1976年 |
1981年 |
1986年 |
1991年 |
1996年 |
扶養義務のある子供を含む単親世帯 |
6.5 |
8.6 |
7.8 |
8.8 |
9.9 |
夫婦だけの世帯 |
28.0 |
28.7 |
30.3 |
31.4 |
34.1 |
扶養義務のある子供を含む夫婦世帯 |
48.4 |
46.6 |
44.8 |
44.4 |
40.6 |
扶養義務のない子供を含む夫婦世帯 |
11.1 |
10.0 |
10.9 |
9.5 |
9.0 |
その他 |
5.9 |
6.0 |
6.2 |
5.9 |
6.4 |
合計 |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
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出典:オーストラリア連邦統計局資料「オーストラリア2002年年鑑/103頁」、AGPS, Canberra
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国民の結婚率は過去100年にわたって、かなりの幅で変動しています。これにはその時の経済や社会の状況、戦争といったものが影響を及ぼします。経済が停滞した1890年代と1930年代は、特にその率が極端に低くなっています。反対に最も率が高かったのが第二次大戦最中の1942年で、この時は1000人につき12組が結婚しています。1970年以降は低下の傾向にあり、2001年には1000人中5.3組と過去最低を記録しました。
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オーストラリア連邦政府は1975年に家族法に関する新国会制定法を可決しました。これによって、最低1年間は配偶者と別居状態にあり、婚姻関係が回復不能であると判断されれば、離婚が成立することになりました。この結果、離婚が増加し始め、特に1976年からはそれまで棚上げとなっていた件が全て処理されたこともあって離婚率は著しく上昇しました。その後、いくらかは低下が見られるものの、1975年以前と比較すればかなりの高率であり、2000年でみると夫婦千組のうち12組が離婚したことになります。
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