アーティスト
2009
アレックス・リツカーラ
日本美術陳列室
アレックス・リツカーラは、今回のプロジェクトで、メルボルンと日本で集められた様々な日本の工芸品を1つの家にコレクションの形で展示します。そしてオーストラリア・ハウスで夕食会を開催し、そこでの会話や物語を記録していきます。集められた物たちはこれらの背景となり、こうして夕食会は生命力をもった彫刻を構成することになります。
略歴
アレックス・リツカーラは、オーストラリア・メルボルンを拠点とし、作家活動を行っている。
彼の作品では、作家が見つけたモノや作ったモノを並べ、それを背景に語り合いがなされる。そしてその場において、物質的なモノがその日1日の知的なやり取りに関する言葉を形成していくことを狙いとする。彼は、モノやイメージに組み込まれていく過程における言語をテーマとしたインスタレーションを手がけてきた。
また、彼はオーストラリア国内外で作品を発表しており、主な展覧会は以下の通り。
- 2009
- "日本美術陳列室"、大地の芸術祭-越後妻有トリエンナーレ、日本
- "Apocrypha",Place Gallery、メルボルン、オーストラリア
- 2007
- "R is for relics、remains and ruins" in collaboration with Victor Georgopoulos, Ocular Lab inc.、メルボルン、オーストラリア
- "R is for Resistance", George Paton Gallery, メルボルン、オーストラリア
- 2006
- "N is for No", Ocular Lab inc., メルボルン、オーストラリア
- "Trinity Nine", Trinity College, メルボルン、オーストラリア
- 2004
- "W is for walking sticks、war & witness", Ocular Lab inc., メルボルン、オーストラリア
- "A Molecular History of Everything", オーストラリア現代美術センター、メルボルン、オーストラリア
- 2002
- "skinned" Yarra array, メルボルン、オーストラリア, メルボルン、オーストラリア
- "A to Z of health and wealth", 現代写真センター、メルボルン、オーストラリア
- 1999 "TRACE"、Liverpool Biennial UK
- 1997 ".....we all fall down", オーストラリア現代美術センター、メルボルン、オーストラリア
- 1996 ".....we all fall down", Kunstlerhaus Bethanien ベルリン、ドイツ
- • アレックス・リツカーラは、'h' project (1997-98) とOcular Lab inc. (2003-09), メルボルン、オーストラリア、の共同設立者でもある。
ルーシー・ブリーチ
オーラル・ファイバー(口述の繊維)
タスマニアを拠点としているアーティスト、ルーシー・ブリーチは、オーストラリア・ハウスを訪れる人々を迎え入れ、守るために、柔らかい素材を使ったお守りのような彫刻を集めたインスタレーションを発表します。住まいの中で先祖を崇めるという仏教の伝統に従い、地元の祖先についての語り伝えに基づいたこれらの彫刻たちは、作家が見つけたりもらったりした生地で制作されます。
略歴
ルーシー・ブリーチはインスタレーションを中心に、私達が世の中とどのように関わっているか、そして互いをつないでいるものは何かを、探求、反映する作品を制作している。彼女は規制の芸術分野に縛らずに、作家が一人で作品を作り上げるというよりも、人々との交流、そしてそれによってもたらされる変化の機会を創出することを主としている。
ルーシーは家族とオーストラリアの島、タスマニア州に在住し、オーストラリア国内および国際的に作品を発表している。
ルーシーは1990年にニュー・サウス・ウェールズ大学の芸術学部を卒業後、2007年にタスマニア大学、タスマニアン・スクール・オブ・アートの芸術学での修士課程を修了した。そして現在、同大学で講師として勤めている。
彼女はまた、アーツ・タスマニアおよびオーストラリア・カウンシルより複数のグラントを授与されており、2005年にはオーストラリア大学院研究奨学金をタスマニア大学より受け取った。過去に3度「テン・デイズ・オン・ジ・アイランド」フェスティバルに参加し、現在はアジアリンクのレジデンス・プログラムにより、大地の芸術祭-越後妻有トリエンナーレ 2009に参加している。
リチャード・トマース
OIKOS
リチャード・トーマスは、オーストラリア・ハウスに残された物や建具を使い、周辺地域の歴史、住居、環境保全などに関連したエコロジー的なインスタレーションを制作します。そして物質の組み合わせと超物質的な共振を通じ、自然と人間の相互連関システムについて考察します。
略歴
リチャード・トーマスは20年にわたり、17カ国にて、展覧会場や美術展示を本来の目的とはしていない場所、更には自然の風景の中で作品の展示を行ってきた。彼の作品は生態系をテーマとし、また人工そして自然によって作られたシステムや形象、場が出会うところについても焦点をあてている。作品として使用するメディアは幅広く、インスタレーションから彫刻、写真、ビデオまでをも含む。一方、アーティスト自らが主体的に企画する様々なプロジェクトにも携わっている。それには1998年の「The Bridge」 や2006年上海ビエンナーレのオーストラリア館で行われた 「Satellite」 プロジェクトが含まれる。更に彼は、日本、ベルファスト、スペイン、オランダやニューヨークでのレジデンスをした経験を持つ。最近では、ヨーゼフ・ボイスの提唱した「拡大された芸術概念」に共鳴するかのように、アートの領域を超越した環境プロジェクトに係る制作活動を行っている。その中には、ミミズ養殖事業、温暖化ガス削減システム、地球環境に優しい音楽祭や建築プロジェクトなどが含まれている。
詳細はこちらのサイトをご覧下さい。www.richardthomas.com.au (英語)
「自然の形象、エネルギーやシステムについて、分析、思考、そして理解をすることが、持続的な刺激や動機付けとなって、私は美的な創造活動を行っています。私は、自然がどのようにして異文化が交じり合うこの現代世界において理解され表現されているかについて考え、また、生物圏が劇的に破壊され衰退していく今の時代における自然と人間との関係を問いかける作品を制作しています。アートを作るプロセス、そして創造に関する意識は、こういった衰退や破壊の力との共通点を持ち得ると同時に、これらの問題の原因を追究し、創造性に富む再生への道しるべとなってくれるのです。」
2011年のオーストラリア・ハウス プロジェクト参加アーティスト