Australian Journey in Setouchi 2010

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ニュース

7月20日

「アートをめぐる・島の連続シンポジウム」

瀬戸内国際芸術祭実行委員会主催「アートをめぐる・島の連続シンポジウム」にキャメロン・ロビンス、クレア・ヒーリー&ショーン・コーデイロが参加します。

7月21日 (水) 10:30~12:00
「拡大する美術、その周縁」
美術はどこまで広がり、どう変化するのか。
定員: 300名
会場: 豊島 豊島小学校体育館
詳細: 瀬戸内国際芸術祭2010公式サイト


News

7月16日

キャメロン・ロビンス 再び豊島へ

オーストラリアに2週間帰国した後、また豊島に戻ってきました。今日は一日緑生い茂るジャングルのような男木島に渡り、設置されている作品を見て廻りました。どれも素晴らしいアートで、色々とアイディアもわき、やる気満々になって豊島へ帰りました。参加アーティスト達の熱意には本当に圧倒されます。そしてこの芸術祭のテーマである「アートと海を巡る冒険」を今日、自分で体験して、自分の作品を総仕上げするための、明快な新しい制作考えを得たように思います。

豊島に戻ってきて改めて、その美しさ、自然環境の見事さ、また他に例のないこのような芸術祭に関わられる素晴らしさを噛みしめました。私が不在だった2週間の間に、ここで制作しているオーストラリアのアーティスト達の作品がどのようになっているかを見るのも楽しみです。

そして瀬戸内国際芸術祭で私にとっての楽しみは、会場である、豊島、高松、男木島など、どこへ行っても、世界中から来た作家や芸術関係者に出会えることです。故郷から離れた異国の地にいても、アートと芸術祭を通じて、自分が共感する人と繋がっていることを感じています。アーティスト達は皆、もっとここに長くいたいと思い、この小さな島々の集落が少しずつ私達を受け入れ始めていることを感じ、将来のプロジェクトの構想も湧き、そして何よりも不可能なことは何もないということを強く感じていると思います。


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7月13日

クレアとショーンの豊島暮らし

アーティストにとって、「地域住民と共同制作」という条件で招聘されることには、小さな不安がつきものです。地域の方々が自分の作ろうとしている作品には全く関心がなかったり、あるいはアートになどかまっていられなかったり、作品のコンセプトに反対だったらと悩んでしまうからです。

私達も初めは豊島の住民について何も知りませんでした。「豊島」をインターネットで検索すれば、まず、産業廃棄物の不法投棄のこと、更には事業者と行政の責任を問う住民運動のことを目にすることになるでしょう。不法投棄はショッキングなことですし、住民運動からは豊島住民が見せた問題解決力や立ち直る力が感じられると思います。

人口1,000人足らずの小さな島の住民が、県の行政に立ち向かったことは、彼らの強さと意欲を示しているとは思います。しかしだからと言って、豊島の住民一人一人について知ったことにはなりません。

一つ得た情報は、島民の平均年齢が65歳だということ。これはかなり高齢! でもなんと私達が豊島に到着した最初の夜に出会ったのは、甲生集落で17年ぶりに誕生したぽっちゃりしたかわいい赤ちゃん、彩翔くんでした。フェリーから島に上陸したとき、彩翔くんとご両親が、ちょうど港のあたりをドライブしていたのです。彼のご両親はとても優しく、その時彩翔くんが着ていたゆかたのようなかっこいいはっぴを、1週間後に私達の息子にも2つもプレゼントしてくれました。

私達が滞在している甲生は、30分ほどで一巡りできるほどの小さな集落です。それでも原付バイクで集落を颯爽と走り回ったりする住民もいます。ここにはちょっと地中海のような雰囲気もあります。実は緯度がイタリアと同じであるので気候も似ていて、豊島は東アジアで一番のオリーブ産地です。そしてとにかく際立ってかっこいいオレンジ色の原付に乗っているのが、甲生の自治会長で素晴らしいフットワークの持ち主、植松さん。彼の素敵な白髪を彼は「染めてるんだよ」とおっしゃるけれど、本当なのか迷うところです。何か必要なことがあったら、植松さんに連絡し、彼が携帯電話を取り出したその一時間以内に段取り完了します。例えば日曜日に家の給湯器が故障した時、その日の午後には修理が完了しました。こんな素晴らしいサービスは、シドニーでは受けられません。

私達は作品を制作する過程で多くの方々にお会いしました。作品の素材として集落の皆さんから譲って頂いた家具を使いました。また仕上げには多数の小さな木箱が必要でしたので、こえびの智子さんに手伝ってもらい、集落を一軒一軒、箱をもらうために回りました。初めは救世軍のボランティアになったような気分でしたが、このおかげで、興味深い集落の方々のお話をお伺いすることができました。一人の方からは、かつて島を離れ、奥さんが出て行ってしまい、そしてまた島に戻ったというかなり告白的な話も聞きました。ただ、木箱集めの話になると、ほとんどの人から「おふろを沸かすのに燃やしてしまったよ」という返事が返ってきました。その時は自分達の作品を完成させるには、「炎が怖くて、お風呂が嫌いな人を探すしかない」と思いました。それでも皆さん「探しておくよ」と言って下さり、驚くなかれ、数日するとお米や神戸牛が入っていた木箱や美しい古いお弁当箱が私達の家の戸口に届けられ始めました。

こうして甲生集落の協力のおかげで、ついに私達の作品が完成しました。そして豊島の面白い人たちに出会うこともできたのです。


7月10日

スー・ペドレー「網の設置」

今日は、梅雨時には珍しく良いお天気という予報だったので、納屋を大きな網で覆う作業をしました。納屋にすっぽり被さるよう、朝のうちに網を大きくし、前日に既に掛けられていた母屋の網と繋ぎました。

まず、甲生の漁師さん二人とこえび隊の二人が、海岸に網を広げるところから始めました。 あまりにも大きな網なので、戸外でないとこの作業ができません。協力して浜に網を敷き、それぞれのパーツを繋げ、準備が完了しました。


網をかぶせるのは、その屋根は朽ちている部分もあり今にも壊れそうなので、とても気をつかいます。ヘルメットにスニーカー姿の柳本さんが長い棒を巧みに使って、もろい屋根にゆっくりと丁寧に網をわたしていきました。網が屋根瓦や突起物に引っ掛かりがちなので、地上のこえび隊が竹の棒でそれを避けるべく援護しました。お互いに声をかけあって誘導しながら、納屋を網で覆うことに成功、母屋の網と繋がりました。朝の準備段階では一瞬、網の大きさが不十分ではないかと心配しましたが、結局は双方の建物を覆うのに十分だったので、ほっとしました。


網が空家を覆っているのを実際に目にし、とても興奮しました。甲生集落のたくさんの方々、特にその多くが網作りに参加してくれた皆さんも来て一緒に喜んで下さいました。家が網で包まれている光景は、とても美しく、感動的です。何よりも甲生集落の住民がともに喜び、誇りに思ってくれていることを嬉しく思いました。



6月20日

キャメロン・ロビンスと息子でアシスタントのジェイク、コーディネーターのユランダ・ブレアが豊島に到着しました。甲生集落の方々がこの3名とオーストラリア大使館職員を暖かく迎えてくれました。



6月5日

スー・ペドレーが甲生に戻ってきました。スーがオーストラリアに戻っていた間にも、甲生集落の方々とこえび隊によりずっと網作りが続けられていたことに彼女は感激していました。



3月31日

スー・ペドレーが制作する場所の下見と作品構想のため、2週間にわたり豊島に初めて滞在しました。こえびの方に助けられて島をあちこちを見て歩き、島の人々や歴史について多くを学ぶことができました。この2週間の滞在により、島の空家となっている民家を、伝統的な漁網を編む手法で作った大きな網で覆うという作品構想がまとまり、4月3日に行われた本芸術祭、総合ディレクターである北川フラム氏同席の集落説明会において、説明し、地域の方の協力をお願いしました。



News

2月26日

クレア・ヒーリー&ショーン・コーデイロが、東京で開催された瀬戸内国際芸術祭2010の記者発表会に、他の日本のアーティストとともに参加しました。



News

1月22日

クレア・ヒーリー&ショーン・コーデイロが生まれたばかりの息子のジョナを連れ、制作地の豊島を訪れました。農業と漁業を営む美しい甲生集落の風景を実際に目にし、作品のインスピレーションを得ることができました。