Welcome to the オーストラリア大使館のカルチャーセンター

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カルチャー・センターは2013年2月末で廃止となり、それ以後はこちらへ移行しました。


ザ・ドリーミング・フェスティバル2009

クイーンズランド民族連盟(QFF)のマネジメント委員会のメンバー
マイケル・ウィリアムス氏のスピーチ

「私は第1回目のドリーミング・フェスティバルから、クイーンズランド民族連盟(QFF) の皆さんと共にフェスティバルに関わってきました。この組織(QFF)とフェスティバルが先住民の人々を認め、正しく理解してくれているということには感動を覚えています。QFFの実行委員、スタッフ、ボランティア、皆が先住民の人々、文化に敬意を持って働いているのです。

先住民の人々の魂、熱気(スピリット)は年々高まっており、その存在もより認識されるようになってきています。そして世界中からこのフェスティバルにやってくる人の数も年々増えています。

この組織における私の使命は、より多くの人々がアボリジニの文化を体験し理解するように働きかけることです。そしてさらには、世界各地にいる私達の兄弟たちとコンタクトをとりあい、結びつけることができたら、と考えています。

年月を重ねるにつれて、私達先住民の文化の「核」である祖先達の魂は、あたりを見回すと至る所に存在している、という想いが強くなってきました。私達は、精霊や魂を感じ、求めています。そしてそれは、大きな都市に暮らす人々も同じく感じることができるのです。なぜなら、私達の文化は、かたちを変えてそこに存在しているからです。

今、私はこうしてこのフェスティバルに携わっていますが、19年ほど前はクイーンズランドの大学にいました。ある授業の際、私は自分が子供の頃に聞いた物語をすべて覚えていることに気づきました。それは小学生だった頃に、母親や周囲の年配者、そして家族が話してくれた物語です。彼らは、そういう物語にこめられた知恵をどうやって活かすかということも教えてくれました。こういった物語を子供達に語り継ぐことで、そしてその知恵・伝統を守り、受け継いでいくことこそが、私達先住民の文化なのです。

その翌朝、私は物語の大切さについて話をすることになりました。物語は私達の日々の生活と深く関わっており、物語を語り伝えることは先住民の文化や人々にとって、とても重要で尊い、と私は話しました。それからすぐに、私は砂漠地域の人々とのプログラムに参加することになりました。教師達は私のクラスで学び、共に働き、そして1年後に砂漠地域の故郷へと戻り、学校で教えるというものです。その地域で行われた植民地政策はとても厳しかったので、物語や知恵を受け継いでいくことも制限されていました。それはとても長く、複雑な歴史です。

そして、その後この10年間、私はオーストラリアの先住民の人々とその法律のため、特に砂漠地域の人々の権利を守るために働きかけてきました。たとえ私がいなくなっても、彼らがその法律のもとにきちんといられることを目指してきました。

私は、知れば知るほど、そして学べば学ぶほど、まだまだ知らないことがたくさんあることに気づかされ、すべてが新しい世界のような気がしました。私は、勉強することやアカデミックサークルで様々な議論を行うことに喜びを感じていましたが、知識を糧に今はこうしてこのフェスティバルに参加していることを、心から嬉しく誇りに思っています。

このドリーミング・フェスティバルは、芸術を通して年長者(old people)との絆を強め、そして手を取り合って共に未来へ歩き出そうというものです。

ドリーミング・フェスティバルは、私達の文化を世界の人々に紹介し、知ってもらう大変重要な機会なのです。より多くの人が、先住民の文化、そして受け継いできた知恵、その価値を知ってくれることを私は望んでいます。

祖父や父から受け継いできたこの土地は、今も私達を癒してくれます。その上に横たわり、その上を歩く私達を癒してくれます。

私が今こうして生かされているのも、こうして先住民の文化をそのあるがままの形で守り尊重していくために様々な活動をしているのも、受け継がれてきた素晴らしい贈り物のおかげです。私は祖父から受け継いだ宝物を、自分の孫や家族へ受け渡すことですべてを私達のこの土地に返したいと願っています。そして、このようなフェスティバルというのは、先住民の人々が心に抱いている国や文化、知識に対する熱い思いを、世界の人々が知ることができる素晴らしい機会なのです。本日は、お集まり頂きそしてご清聴感謝いたします。」