Welcome to the オーストラリア大使館のカルチャーセンター

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ザ・ドリーミング・フェスティバル2009

ドリーミング・フェスティバルの歴史と背景

1987年に、クイーンズランド民族フェスティバル(Queensland Folk Festival)によるプロデュースでマレニー民族フェスティバル(Maleny Folk Festival)が発足。以来、多くの先住民のアーティストを支援しその活動のサポートを行ってきた。

1994年に、現在フェスティバルが行われているウッドフォードへ場所を移し、ウッドフォード民族フェスティバル(Woodford Folk Festival) を開催して以降、先住民のアーティストや作品の参加が増えたため、先住民の人々・文化の素晴らしさを世界に発信し、敬意を表すためのフェスティバルが計画された。

そして2005年6月、その計画が実現し、クイーンズランド民族連盟(Queensland Folk Federation)のプロデュースで、ウッドフォードにおいて先住民の国際フェスティバル、「ドリーミング・フェスティバル」が初めて開催された。これが1万人を超える観客が集まり大成功を収めたため、実行委員は、多くのオーストラリアの人々が、言葉では説明するのが難しい先住民の文化・芸術を知りたい、体験したいと誇りを持って考えていることを実感した。そしてフェスティバルはこの5年間で発展を遂げ、シンボル的で重要なものとなった。と同時に親しみやすく、純粋で陽気なイベントという姿勢はもちろん変わっていない。

ドリーミング・フェスティバルは今や様々な分野のアート、色々な会場で行われる大々的な文化の祭典となっている。そして、ビジュアル・アーツとパフォーミング・アーツの垣根を超えた素晴らしい作品、また映画、文学、マルチメディアが伝統的な儀式とともにプログラムに組み込まれ、現代の観客達にとって先住民の文化を知るための、親しみやすい入り口となっている。そしてこの独特な文化を表現・発信するフェスティバルは、先住民の人々・文化の視点から計画、実行されている。

ドリーミング・フェスティバルが発足する前は、オーストラリアの先住民アーティスト達にとって、公共のイベントや州の芸術フェスティバルなどの主要な既存のイベントに参加することは難しいことだった。しかし、州などによる芸術文化政策や海外への文化発信の施策、国内外の慈善財団や政府のパートナーシップによる交流プログラムやネットワークを通して、アーティスト達は育まれ、力をつけてきたのである。

今も成長・発展を続けているドリーミング・フェスティバルがもたらす影響はとても大きいものになるだろう。それは、アート、文化的コミュニティ、アボリジニのコミュニティへはもちろん、旅行・観光産業にも大きな影響を与えうるのである。

2007年のドリーミング・フェスティバルで音楽家のジェフリー・ガールムル・ユヌピング(Geoffrey Gurrumul Yunupingu)が最初の単独ライブを行い、自分達の文化を新しい方法で発信するという思いはより強くなり、それは多くの支持を集めた。

芸術によって、アボリジニの文化はオーストラリア文化における唯一無二の重要な存在となったのである。

(注・ジェフリー・ガールムル・ユヌピングは、1970年にダーウィンの沖合のエルコ島で生まれた盲目のアボリジニミュージシャン。)