社会・文化:南三陸町で行われた「ポリグロットシアター」ワークショップ

こどもやお年寄りの笑顔より心温まるものはありません。オーストラリアの演劇集団ポリグロットシアターが2011年の東日本大震災により、甚大な被害を受けた宮城県の南三陸町で、”Kids are the Boss” 「子供たちがしきる」を催したとき、町の皆さんに笑顔をもたらすことができました。

2015年5月、ポリグロットシアターのオーストラリア人アーティストとNPO法人あっちこっちの日本人アーティストが、子供からお年寄りまでもが楽しめる、インタラクティブなワークショップを南三陸町で行ないました。

誰もが知っている昔話を巨大なKamishibai(紙芝居)で語り、絵と操り人形を通し、コミュニティーを元気づけました。「復興支援」と一言でいっても、道路やインフラを立て直すことだけではないということを示してくれました。

『子供たちと一緒に活動する私たちのやり方は、創造的プロセスを前向きでかつ現代的な取り組みにします。今回のプロジェクトは楽しく、地元の皆さんにも親しみやすく、世代を超えて有意義な経験を提供することができました。』と、アジア各国でプロジェクトを成功させているアートディレクターのスー・ギルズは語ってくれました。

ポリグロットシアターにとって、今回が初めての南三陸町の被災地訪問ではありません。2011年には、町の福興市に大使館職員、オーストラリア企業や団体と共に訪れました。その後、2013年には”We Built this Town”(みんなで作ったこの町)というダンボール箱で町を作るとプロジェクトで町のこども達とワークショップを行ないました。

ポリグロットシアターは、まず仮設住宅に住むお年寄りと一緒に、マンガと日本の紙芝居の技法を使用して、お年寄りからお話を聞きながら、日本の昔話「桃太郎」の絵を制作しました。その「桃太郎」はその後、小学生の想像力により、南三陸町独自の話として変えられ、新しい話が出来上がりました。参加者は、コミュニティーの立ち直る力を表わすかのように、世代を越え、楽しい時間と笑いを昔話を通じて、共有しました。

巨大紙芝居は、文字や言葉の説明なしで詳細な物語を読み取れるマンガ文化のある日本にぴったりのプロジェクトとなりました。この業界で名の知られているポリグロットシアターは、トラウマによる影響を受けたこども達と接することに慣れています。こどもたちは互いに作業すること、お年寄りそしてポリグロットのアーティストと制作する事に大きな喜びを感じ、同時に彼らは希望や憧れ(野心)、恐れについて探求する機会を得ました。


完成した作品は町の生涯学習施設(愛称:コアラ館)での大使館主催バーベキュー・パーティーで、創作を手伝った入谷小学校のこども達に披露され、その後町の幼稚園・保育園3ヵ所を巡回しました。

今回のプロジェクトにはポリグロットシアターのコアメンバーの他、メルボルンの高名なコミックブックアーティスト、バーナード・カレオが参加しました。高品質のクラシックは、NPO法人「あっちこっち」によって提供され、彼らの地域の問題に対する深い知識の取り合わせは、良質なコラボレーションを生みました。

本プロジェクトは2011年に日本に打撃を与えた地震、津波、放射能被害の影響と未だに戦い続ける日本の人々に対する、オーストラリアの継続した支持と親交を示しました。 東北地方で震災復興の努力を続けるコミュニティに、芸術と文化を通してオーストラリアの優れた文化と専門性を紹介し、長期の文化交流、そして人と人との繋がりの促進に寄与するプロジェクトとなりました。