越後妻有の巨大パペッツ
2015年8月16日
豪日交流基金助成のもと、2015年のアジアリンク「アーティスト・イン・レジデンス」プログラムにメルボルンのSnuff Puppetsが選ばれました。大地の芸術祭の期間中、
オーストラリア・ハウスに滞在し、地元の方々と交流しながら上演する作品を制作しています。8月16日にその成果を「農舞台」で発表します。
開催日: 8月16日(日)18:30〜20:30
場所: まつだい「農舞台」
(十日町市松代3743-1)
料金: 一般1,500円(前売1,000円)、パスポート割引1,000円、小中学生500円
詳細はこちら: 大地の芸術祭2015ウェブサイト
アボリジニアートの「イウォラ クジュー キャニング・ストック・ルート展」のパネル展示
2015年7月27日
オーストラリア・ハウスでは現在オーストラリア国立博物館のコレクション「イウォラ クジュー キャニング・ストック・ルート展」から選ばれた作品をパネル化し、展示しています。
「キャニング・ストック・ルート」とは20世紀初頭に北部の飼育農場から牛を南に輸送するため作られた西オーストラリア州の砂漠を縦断する1850キロの経路です。政府の委託を受けてキャニングという人がそれを探検したのが、名前の由来ですが、その探検は、その際に砂漠の案内役となった先住民の人々の生活に大きく影響を与えました。本パネル展示ではその先住民の目線から語られるストーリーが紹介されています。
オーストラリア・ハウス・ワークショップ 2000のわらじと200の足
2015年7月11日
2015年7月12日
オーストラリア・ハウス・レジデンスプログラム2013-2015のアーティスト、ハイディ・ヒューゴ・ネイサンが第6回大地の芸術祭「越後妻有アートトリエンナーレ2015」の作品づくりを開始します。ぜひお手伝いにお越しください。
第1回ワークショップ
日時:7月11日(土)午後1:00から
場所:オーストラリア・ハウス
内容:わらじ型の銅版に靴の絵を針で描く作業をします。
第2回ワークショップ
日時:7月12日(日)
午前10:00~12:00 午後1:00~
場所:オーストラリア・ハウス
内容:同上
*この日は参加者の皆様とバーベキューの昼食会を行います。
詳しくは こちら (PDF)
日記: シェイ・サットン
2015年6月4日
私は、オーストラリアを代表する、巨大な人形のパフォーミング・アート集団、Snuff Puppetsのエグゼクティブ・プロデューサーです。この度、Snuff Puppetsは、アジアリンク・アート・レジデンシー・プログラムの助成を受け、新潟県十日町市浦田 の地元の方々にご協力いただき、巨大な人形劇の公演 を通じて、越後妻有アートトリエンナーレに参加することになりました。
私は5月に、トリエンナーレのプロデューサーとの打ち合わせと浦田の方々に会うため、越後妻有地方を訪問し、夜はオーストラリア・ハウスに滞在しました。
滞在中に、周辺を運転する機会に恵まれ、彫刻やアートのインスタレーションを見ることができました。天気も素晴らしく、オーストラリアと違って、あたりにはまだ雪が残っていました。 オーストラリア・ハウスに向かって、ドライブしながら、角を曲がると、オーストラリア・ハウスの彫刻のような美しい建物が木々の間からのぞいて、自然の風景 に溶け込んでいるのが目に飛び込んできます。建物の美しい木造の内装に気持ちが浮き立ちました。
そこで素敵な時間を過ごし、地元コミュニティーの皆さんとトリエンナーレに参加している2人のアーティストとの素晴らしい出会いがありました。オーストラリア・ハウスに迎え入れて、私を皆さんに紹介してくれた洋子さん、ありがとう!
8月に再訪するのを心待ちにしています。
1. オーストラリア・ハウス
2. オーストラリア・ハウスからの景色
3. 地元コミュニティーの皆さんとのランチ
アジアリンク 「アーティスト・イン・レジデンス」を豪日交流基金が助成
2014年11月20日
2015大地の芸術祭トリエンナーレにメルボルンを拠点に活動するパフォーミングアーツグループSnuff Puppetsが参加します。 Snuff Puppetsは2015年のアジアリンクの「アーティスト・イン・レジデンス」プログラムに選ばれ、オーストラリア・ハウスに滞在し、地元の方々と交流しながら上演する作品を制作します。
詳しくはアジアリンク 「アーティスト・イン・レジデンス」 (PDF 英語)
"里山の秋" を体感! 晩秋の越後妻有でホーム・ステイ&運動会 秋の味覚と交流を楽しむ二日間
2014年9月19日
オーストラリア・ハウスのある浦田地区にも秋がやってきました。 稲刈りなど収穫作業を終え、雪の季節の到来を目前にしたこの時期は、地区の人たちがこれまでの疲れを癒やしながら、秋の実りの豊かさを楽しみ、冬の準備をしながら、一年中で一番のんびりくつろぐ季節です。この“里山の秋”を体感しながら、浦田地区の人たちとの交流を楽しむ「オーストラリア・ハウス秋の会」を開催します。ぜひご参加ください。
詳しくはこちら
チャリティーコンサート:テノール大澤一彰がうたう日本の歌、世界の歌
2014年8月21日
社団法人海外と文化を交流する会の主催によりオーストラリア・ハウス滞在作家を含むオーストラリアの若手美術家支援のためのチャリティーコンサートが、10月10日、東京赤坂の霊南坂教会にて行われます。注目のテノール歌手である大澤一彰氏が、日本人離れした高音の輝きとドラマティックな歌唱力で歌います。
詳しくはこちら(チラシ) (PDF)
第2回「松岡朝賞」授与
2014年8月18日
社団法人「海外と文化を交流する会」が主宰する第2回「松岡朝賞」が、昨年に引き続き、今回もオーストラリア・ハウス・アーティスト・イン・レジデンスプログラム2013-15に参加する3名の作家に授与されました。この賞は、日本とオセアニアの親善を願って、創設者の「松岡朝」の名前を冠にしたものであり、オーストラリア若手美術家を対象としています。今年は、会の専務理事であり、松岡朝さんの娘さんでいらっしゃる松岡裕子さん、理事の羽鳥修造さん、会員の鮫島宗明教授により、ジョージ・W・ギッシュ会長からのお手紙と目録贈呈が行われました。
オーストラリア・ハウスにて資料展示
2014年8月12日
8月17日まで、オーストラリアの子供向け絵本や美術関連本と、オーストラリア・ハウスの過去のプロジェクトのパネルが展示されています。是非、この機会に越後妻有のオーストラリア・ハウスにお立ち寄り下さい。
2015年アジアリンク・アーツ・レジデンシーの募集開始
2014年8月6日
Asialink Artsは2015年越後妻有大地の芸術祭に参加をするオーストラリアのパフォーミング・アーツグループを募集しています。
詳しくはこちら(英語)
日記: 雪の運動会
2014年3月6日
雪の運動会は内容の濃い一日となったため、数行でまとめるのは難しい。幼いお相撲さんは寒さに勇敢に立ち向かい、伝統的な藁を束ねた柱をチームごとに運んだり、「かんじきダンス」を踊っていた。伝統的な越後の野良着や裁っ着け袴は応援旗のように会場に釣るされていた。
すばらしいまでに伝統が尊重されつつ、楽しく、笑える、そして疲れるチームイベントに参加できたことはいい刺激になった。食べ物も絶品だった!
日記: 到着、そしてワークショップ
2014年2月24日
また浦田に戻ってきました!すごい雪です!浦田の皆さんからとても暖かい歓迎を受け、すばらしい夕食をご馳走になりました。旧交を温めることができてとても嬉しいし、食事もとてもおいしかったです!
翌日はオーストラリアハウスでワークショップを開きました。浦田青年団の皆さんが雪の洞窟作りを手伝ってくれました。それを、われわれが後にしてきた夏のオーストラリアから持ってきたユーカリの葉で飾り、小さい<五感>のインスタレーションを創りました。
その後、みんなで大きな雪の家を作り、ろうそくを立て、焚き火をして、地元のお母さんたちが用意してくださったおいしいけんちん汁を頂きました。丸山さんと十日町の町長さんのご挨拶があり、オーストラリアハウスのヨーン・ウッツォン国際建築賞受賞の発表がありました。
地元のコラボバンドが、美空ひばりさんの音楽を演奏し、オーストラリアハウスの裏の丘では子供たちがそり遊び。みんなで協力し合って、すばらしい一日になりました!
イベント情報
2014年2月23日
オーストラリア・ハウス -雪のワークショップ&交流会-
オーストラリア・シドニー出身の参加作家Heidi Axelsen (ハイディ・アクセルセン) 、Hugo Moline(ヒューゴ・モリーン)、Nathan Hawkes(ネイサン・ホークス)3人の冬のレジデンシーをいよいよ開始します。滞在二日目には、浦田地区青年団の発案で、アーティストとの冬の交流会を行います。 現在真夏の南半球オーストラリア・シドニーから来る3人のアーティストそして浦田地区のみなさんと、雪に囲まれたオーストラリア・ハウスで雪のアート・食・音楽を通して交流するイベントです。みなさんの参加をお待ちしています。
詳しくはこちら
ニュース
2013年11月14日
11月10日(日)オーストラリア・ハウス秋の会、無事終了しました。雪囲い作業は、参加のみなさまで手際よく進められ、小一時間ほどであっという間に完了。作業の後は、おいしい新米おにぎりときのこ汁、秋の味覚の天ぷらなどに舌鼓をうち、午後は北川フラムさんのアボリジナル・アートについての講演会。
アボリジナル・アートが表現するのは「ドリームタイム」とよばれる天地創造の神話だといわれていますが、北川さんによれば、アボリジニだけでなく、人類はだれもがDNAに刻み込まれた遠い祖先の記憶を夢で見ることができるのだとか…。夢の話でも盛り上がりました。
時折激しく降る風雨の中、越後妻有・浦田で冬に備えつつ、南の大地の人々や人類の歴史、夢の世界に思いをめぐらせるひとときでした。そして翌日の妻有は雪。しばらくの間オーストラリア・ハウスは雪で覆われることとなります。
日記
2013年8月31日
ハイディ・アクセレーゼン
踊る、プレス、編む
浦田での最終週は、地元の方々の日常生活に同行しました。皆さんのおつかい等のお手伝いをしようと思っていましたが、皆さん、自分のことは自分で済ませられてしまい、私たちはただおいしい地元のものをご馳走になるという結果に終わりました!
飯塚さんとお孫さんのコウヤ君が訪問先にすべて同行し、私たちを紹介してくれたり、通訳をしてくれました。コウヤ君は10歳で、日本語と手品の師匠です!ユウジさんのご自宅は浦田地区の裏、山の中に位置していて、奥様とお住いの築200年のおうちに招いてくださいました。ユウジさんは大きな川岩がどのように家の柱の基盤となっているか、絵に描いて見せてくださり、自家製の漬物や昆布を振舞ってくれました。
佐藤さんご夫婦のご自宅は渓谷の奥の方で、オーストラリア・ハウスの近くに位置しています。お米を乾燥させる機械やじゃがいもの保管庫として使用する小さな工場を案内してくれました。また近くの茂みに行き、そこでは粘土を掘り起こす作業を体験させてもらいました。その粘土がある大きい木の元にありつくために、深い茂みを100メートルほど刈り落とし、道を作ってくれた佐藤さん。この方々はなんて力強くて、疲れ知らずなのでしょう。冬に戻ったら、使えるバケツいっぱいの土が待っています!
最後の訪問先はオーストラリア・ハウスの一番ご近所の権兵衛さんのおうちです。権兵衛さんの居間でカラオケ大会を楽しんだ後、藁でどのように草鞋を編むかを教えてもらいました。
浦田で過ごした時間を振り返ってみると、一番印象に残り、貴重だったのは「ものづくり」に直接携われたことです。学び、練習と作業の繰り返しにより動きが洗練されていきます。例えば藁で草鞋を編む動作や金属片をネジにプレスする動作、そして盆踊りを踊るという動作もそうです。観察し、観察したことを真似し、失敗を繰り返すことにより、完璧な動作が生まれていきます。そしてまた一から始められるよう、すべての動作は一度終わりを向かえます。
土曜日の朝は毎週恒例となっている飯塚さんのスーパーの集会に参加をしました。大介さんに手伝ってもらいながら、皆さんをマイクロバスでそれぞれ送り届ける前に、お茶とお漬物を食べながら昔話をしました。この地域の歴史についてや経験されたご苦労、そして地域の方々がいかに協力してきたかなど、お聞きしました。全員にとってとても意味深い大切な経験となりました。一人の八十歳を超えるであろう女性は、私たちが初めて会う外国人だと教えてくれました。
オーストラリア・ハウスの最後のワークショップは、参加者の「里山の五感の思い出」を呼び起こすというテーマで開催しました。3種類の違う長さで、一定の間隔に切込みがついた棒を用意しました。棒の側面にそれぞれ、感覚、味覚と嗅覚、感触、聴覚の里山の思い出を書いてもらい、最後の面には、里山への希望を書いてもらいました。それぞれの参加者が棒にペイントで色づけをした後、みんなでバランスを考えながら、一緒に棒を組み立てました。結果、細長い複雑に入り組み、紐と切り込みでつながった集合体が出来上がりました。
浦田での最終日はいくつもの「空き家」となった伝統家屋を訪れました。どれも美しく織られた杉の梁で建てられ、過去に住んでいただろう家族の形跡を残しながらも今はただの骨組みと化していました。この地域にみられる人口減少は日本の急激な産業化と農業人口の減少の結果だそうです。しかし、それでもこんなにも美しい場所が放棄されてしまっているという事実は受け入れがたいものでした。
夏は40度近い灼熱となり、冬は4メーターもの積雪を経験するこの場所は、誰にとっても過酷な環境ですが、特にお年寄りにとっては大変なことでしょう。しかし、ここに住む方々は私がお会いしたどこのお年寄りよりも、元気でエネルギーに溢れています。不便な田舎暮らしで、隔離されたところに住むことを避け、また仕事もあまりないことから若い人はほとんどいません。
何度も積雪の深さについての話は聞いていますが、どれほどそれが人々の生活、そして生活する上でのインフラに重くのしかかり、圧力となっているのかは今は想像するまでです。来年の冬戻った際には、すさまじい積雪を私たちも体験できることでしょう!
1. 黒板カレンダーと佐藤さんの居間 写真:ハイディ・アクセレーゼン
2. 佐藤さんの小豆とじゃがいも 写真:ハイディ・アクセレーゼン
3. ゆうじさんの描く絵と石柱 写真:ネイサン・ホークス
4. 師匠と弟子たち:ヒューゴとネイサンのネジ造り 写真:ハイディ・アクセレーゼン
5. 権兵衛さんと藁の草鞋を編む:師匠の草履、そして弟子ハイディの草履 写真:ヒューゴ・モリーン
6. スーパーへのおつかいとモーニングティー 写真:ハイディ・アクセレーゼン
7. 里山五感の思い出と希望を描く 写真:ネイサン・ホークス
8. 「里山の五感の思い出と希望」写真:ネイサン・ホークス
9. 浦田での最終日
イベント情報
2013年11月10日
オーストラリア・ハウス 秋の会
雪囲い & 新米おにぎり昼食会 & 秋の勉強会
オーストラリア・ハウス外観
収穫の秋、雪深い妻有では冬支度をするこの季節、オーストラリア・ハウスで集う秋の会を開催します。まずは,この地域の住居の雪囲いや冬支度の特徴についてお話をうかがったあと、オーストラリア・ハウスの雪囲い作業を行います。その後の昼食会では、浦田地区婦人会のみなさんが作ってくださる妻有のおいしい新米のおにぎり、きのこ汁など収穫の秋の味覚を楽しみます。 午後は、これまで地区のみなさんと行ってきたオーストラリアについての連続勉強会。今回は北川フラムによるアボリジナル・アートについての講演を、一般公開の勉強会として行います。晩秋の一日、オーストラリア・ハウスにぜひお越しください。
日時:2013年11月10日(日)
会場:オーストラリア・ハウス (十日町市浦田7577)
*昼食会・勉強会:中立山地域農村集落センター(十日町市浦田7575)
*オーストラリア・ハウス隣
- 10:30~ 雪囲い講座+作業
- 12:30~ 新米おにぎり昼食会
- 13:30~ 勉強会(15:30終了予定)
詳しくはこちら
日記
2013年8月23日
ヒューゴ・モリーン
やかんが出来上がるまで
静養をとるため、一週間もの間、閉じこもっていました。終わってみると、まるでオーストラリア・ハウスという大きな船で長い航海を終えた気分になりました。
その船を降りてからは平日を利用して越後妻有の素晴らしい人、場所、そしてアート作品に触れ、過ごしています。
日曜日は浦田地区、上越市、そして新潟市の方々と有意義なアフターヌーン・ティーを楽しむことができました。地元婦人会の皆様は山菜のお漬物やところてん、しそジュースといったたくさんのごちそうでもてなしてくださいました。オイシイネ!
私たちはオージー風ホットケーキを作り、ジャムと一緒に出しましたが、みなさんのおもてなしにはもちろん勝てませんでした。ただ子供たちは喜んでくれたようなので良かったです。
洋子さんの計らいにより、少し遠出して信濃川沿いの産業地帯である三条市を訪問しました。そこでネジの鍛造や一枚の銅版が薄く叩かれることにより、やかんへと変身する姿を目にしました。
農作業用工具の製造工場をお持ちの方とも会うことができました。日本にはその地方や地形、そして土壌によって使用するくわは異なり、一万をも超える種類があります。熟練の農家の方々は使い古されたくわを修理や複製のために工場に持ち込み、それにより工場にはくわの型のノウハウが蓄積されるそうです。
多くの地区では少子化により小学校が廃校となっています。クリスチャン・ボルタンスキーの絶えず心に残る「最後の教室」や十日町鉢集落の田島征三の見事な空間絵本のどちらもとても印象的でした。
地元食材でできたごちそう
やかんが出来上がるまで
一万種のくわの製造の第一工程
田島征三の
空間絵本
ニュース
2013年8月20日
8月18日にイベント「一緒にお茶を飲もう!- OZアフターヌーンティーVS妻有の中飯 -」が、浦田の子供たちを始めとする地区の皆様や、上越日豪協会、新潟オーストラリア協会の方などの大勢の方にご参加頂き、開催されました。オーストラリア大使館のダラ・ウィリアムズ公使も駆けつけ、ヒューゴ、ハイディ、ネーサンの作ったオーストラリアのお菓子や、浦田地区協議会婦人会の作って下さったおいしいおこわやつけものを食べながらの楽しい交流会となりました。
参加者の集合写真
日記
2013年8月15日
ネイサン・ホークス
地図を広げて
オーストラリア・ハウスに5日間ほど留まったことで、夏ならではの自然の姿に注目し、それを肌で感じることができました。虫はブンブンと音をたてながらきらめき、森林の奥へ進めば、耳をつんざくように共鳴しています。この音には「構造」があるようで、まるで何千もの細胞が振動することにより「聞こえる」構造を創り上げているようです。蝉とコオロギの絶え間ない鳴き声はすぐに識別できますが、時に違う虫の突然の鳴き声により遮られます。ここはオーストラリア・ブッシュのような茂みを彷彿とさせてくれますが、ただそれに強烈な蒸し暑さをプラスしたようなところです。
ヒューゴがインフルエンザにかかったことでもう一つ恩恵を受けたことがあります。それはオーストラリア・ハウスが臨時休館したことで一階を作業場として利用できたことです。ここからの眺めは目の保養そのもので、特にアンドリュー・バーンズ氏が建築した黒い柱は、その素晴らしい景色を引き立ててくれる額縁となってくれます。
今日は地元で建設会社を経営している飯塚さんが伝統的な建築物を巡るすばらしいツアーに連れて行ってくれました。オーストラリア・ハウスの近所にある権兵衛さんの築160年近いご自宅にもお邪魔させてもらいました。彼と奥様のスミエさんの素敵なおうちに招き入れてもらい、そこで権兵衛さんが歌を披露してくれました-彼の歌声はすばらしい!-わらぶき屋根の内側をもみせてくれて、その構造を説明してくれました。ご自宅から失礼する際に、スミエさんお手製のわら草履を一人ひとつづつプレゼントしてくれましたー完璧な一日でした!
ヒューゴはまだあと数日の休養が必要なのですが、僕とハイディは車で、「大地の芸術祭の里」のアート作品を巡り始めました。作品はどれも地域に深く根づき、一体となっていて、そのレベルの高さにただただ圧倒されました。
アート作品の地図を広げると、この独特の地形、暮らす人々、そしてその伝統をたどることができます。作品は地域全体に展示されているので、その特性を生かし、網羅的に地域を巡り、関わることができます。言うまでもありませんが、「大地の芸術際の里」の作品を巡るためだけでも日本を訪れる価値はあります。その上、この素晴らしい芸術祭に自分自身が貢献できるということに、胸が高鳴る思いです。今は地元の方々から学び、一緒にものづくりをはじめるのが待ち遠しいです!
歌を披露してくれている権兵衛さん
スミエさんお手製の藁草履がはいった木箱
浦田地区にある神社
「脱皮する家」にて: 大地の芸術祭の里の中の素晴らしい作品のひとつ
作業場からの眺め
ニュース
2013年8月12日
オーストラリア・ハウス臨時休館(8月10日~16日)とイベント延期のお知らせ
オーストラリア・ハウスは、8月10日から16日まで都合により臨時休館いたします。
なお、11日開催予定のイベント「<オーストラリア・ハウスで交流の午後> 「一緒にお茶を飲もう!」- OZ(オージー)アフタヌーン・ティ VS 妻有の中飯 一」は、18日に延期いたします。 18、25日開催予定のワークショップ「「オーストラリア・ハウスで、つくろう」-オーストラリア・ハウスで生まれるもの・こと-」は、25日のみの開催となります。
なにとぞご了承ください。
日記
2013年8月10日
里山で朝食を―ご飯とトーストのハーフ&ハーフ―
蝉や虫の鳴き声で目覚める3日目のオーストラリア・ハウスの朝を迎えています。昨日は36度を記録しました!それでも夜になると、安らかな涼しい風が吹き、日中の暑さから開放してくれます。
充実しながらも少し大変な幕開けとなった今回のレジデンシー。シドニーの寒い冬から来た私たちですが、ヒューゴはインフルエンザと共に来日してしまいました。かわいそうなことに、今蒸し暑い日本で病魔と闘っています!
地域住民にインフルエンザをうつさない様、ヒューゴが完治するまでは日本独特の「白いマスク」をして、家から出ないようにと言われています。今はまつだいの近くに位置する浦田地区の美しいオーストラリア・ハウスで軟禁状態ですが、缶詰になるのがこの素晴らしい場所で良かった!まだ滞在序盤で、東京を経て十日町へ移動しただけですが、既に多くの素晴らしい方と出会い、新しいことの旋風の圧倒されています。吸収することが多いので、少しペースを落として、簡素化された生活を送らざるをえなくなったことに正直ほっとしています。
主催者と地域ボランティアの皆さんは休むことなく、私たちのどんな要求にも応えてくださいます。彼らの寛大なサポートのおかげで非常に助かっています。大介さんは市長への訪問、そして病院(!)へと付き添ってくださり、通訳をしてくれます。洋子さんは新潟市から来られている学校の美術の先生で、親切に週末は何がどこで手に入るかや近くのホームセンターや隠れた穴場などを教えてくれます。また、彼女は何冊ものおもしろい日本アートに関する本を貸してくれて、美術品なども用意してくれました。
少しづつではありますすが、私たちは「里山」という言葉の意味を掴みつつあります。「里」と「山」という二つの漢字から成り立っているこの言葉は、人の居住空間と森林が出遭う場所を意味しているだけではなく、自然と人がつながり、時間と場所で共存していることを表しているように思います。
地元のごちそうでは、おいしい人参ジュースを試す機会を頂きました。人参は長い冬の間、雪の下に埋まっているのでとても甘く、味が濃くなるそうです。人参というよりは甘い果汁を飲んでいるようでした。また地元でできたコーヒーと菊とのコンビネーションは暑い中作業する上で、良いエネルギーを与えてくれ、リラックスするのに最適です。
すべてのことにみられる日本ならではの繊細さと精密さは驚異的です。上品に赤と白の旗を振り、LEDライト搭載のベストを着る交通整理員からモザイク模様にならぶ棚田の風景にまで驚かされます。地元産業もとてもおもしろそうです。花こう岩を扱う石工、製紙業者、上越市の近くには専門の工具の製造者、そし大規模なコンクリート会社がありましたが、まだ木工職人とはめぐり合えていません。
この大規模で長期的なプロジェクトはまだ始まったばかりですが、この機会を頂けたことをとても幸運に思います。本格始動が楽しみでなりません。
ハイディの過度期の朝食:トーストと卵か、ご飯と卵か、やっぱり両方!
オーストラリア・ハウス2階の窓からの風景と今回の滞在で既に会った皆様のことをわすれないよう名刺で作ったモビール
もみ殻に入った収穫を待つお米
積雪の重みで曲がった杉の木
ニュース
2013年8月7日
アーティスト・イン・レジデンスプログラム2013-15開始
シドニーを拠点に活動している3人の作家、ハイディ・アクセレーゼン、ヒューゴ・モリーン、ネーサン・ホークスがオーストラリア・ハウス・アーティスト・イン・レジデンスプログラム2013-15に参加するため来日しました。このレジデンスプログラムでは、2015年の大地の芸術祭で作品を発表するため、複数回にわたり越後妻有に滞在することとなっています。今夏は初めての滞在で約20日間を予定しています。彼らは到着後、東京で越後妻有トリエンナーレ総合ディレクターの北川フラム氏を始めとするスタッフやオーストラリア大使館の職員と会い、滞在への意気込みを語りました。
また、同日、社団法人「海外と文化を交流する会」が主宰する第1回「松岡朝賞」の授与式が執り行われました。この賞は、日本とオセアニアの親善を願って、創設者の「松岡朝」の名前を冠にしたものであり、オーストラリア・ハウスに滞在する美術家などを対象としています。会の専務理事であり、松岡朝さんの娘さんでいらっしゃる松岡裕子さんおよび常務理事の鮫島宗明教授により作家への目録贈呈が行われました。
大使館員との打合せ
授与式の様子
(左より)松岡さん・ヒューゴ・ハイジ・ネイサン・鮫島教授
参加作家の滞在日程・参加イベントはこちら
「松岡朝賞」プレスリリース (PDF)
イベント情報
2013年8月6日
オーストラリア・ハウスでつくろう!
オーストラリア・ハウスでものやことを創り出す体験
浦田で何ができるか、何をつくろうか… アーティストとの交流で何かがうまれるワークショップです。お気軽にお越しください!
◆日時 8月25日(日) 13:30~15:00
◆会場 オーストラリア・ハウス テラスなど
◆料金 無料(オーストラリア・ハウスへの入館料は別途)
イベント情報
2013年8月6日
一緒にお茶を飲もう!- OZアフターヌーンティーVS妻有の中飯 -
豪日のお菓子・お茶でおもてなしをします。食べたり、飲んだり、遊んだり…
浦田のオーストラリア・ハウスで交流の午後をオーストラリア・アーティストと楽しみませんか?どなたでもご参加頂けますのでお気軽にお越しください!
◆日時 8月18日(日) 13:30~15:00
◆会場 オーストラリア・ハウス テラス前広場
◆料金 無料(オーストラリア・ハウスへの入館料は別途)
ニュース
2013年7月2日
オーストラリア・ハウス:アーティスト・イン・レジデンスプログラム2013-2015 参加作家決定
詳しくはこちら
ニュース
2013年5月2日
オーストラリア・ハウス:アーティスト・イン・レジデンスプログラム 2013-2015
詳しくはこちら
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