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多様な民族構成によって、オーストラリアの芸術文化やそのスタイルが多様になる一方、アボリジニ美術に対する評価が近年、高くなってきています。
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アボリジニ・ダンサー
© Department of the Prime Minister and Cabinet(写真:Karen
Mork) |
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多くの人にとって、よく知られたアボリジニ美術というと、木の皮に描かれた点画や岩の上に描かれた絵画などでしょう。しかし、最低4万年前にさかのぼる初期のアボリジニ美術には、黄土を使って死んだ者の体に色をつけて装飾するというものもありました。
伝統的なアボリジニの美術は、他人に見せるために作られたものではなく、宗教上の意味や、時には秘密の意味がこめられていました。例えば、アボリジニは自分達の伝統的美術は、それが描く土地と同様、祖先から受け継いだ霊的遺産の一部だと考えています。彼らの神聖な絵は、特別な儀式の際に、イニシエーションを受ける者だけに明かされるということがしばしばありました。 |
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Paddy
Dhathangu(1915-93)の作品
© オーストラリア国立美術館 |
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一般的にいって、伝統的なアボリジニ美術作品では、色や特別な効果を得るために、自然の草木からとれる染料や土壌物質を多く使います。多くの「砂漠」美術は、儀式のために、黄土や粘土質の土、草木の繊維、血や羽などを使って砂の上で創作され、儀式が済むと、破壊されました。しかし、最近では、アボリジニの画家の中には、キャンバスやアクリル製の絵の具などを使用する者も出てき、こういった儀式のための美術作品の一部が一時的でなく、永久に残る形で創作されるようになってきました。
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ディジュリドゥの写真 |
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ディジュリドゥとは、長さ1メートル以上もの細長い管楽器で、1000年以上も前からオーストラリア先住民族アボリジニが儀式などで使っていたと言われています。一部では、その身体に響く低い音色には、ヒーリング効果があると信じられ、病気治療のひとつとしても活用されていたと伝えられています。ディジュリドゥはすべて手作りのため、1本、1本、形や長さ、響く音が異なるのも特徴です。伝統的にシロアリに幹の中を食い尽くされて空洞になったユーカリの木を磨き、その上に白、黒、黄色、赤の4色の岩絵の具でペイントしています。
日本ディジュリドゥ協会のホームページ
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